化粧品に使われる幹細胞の種類と特徴

近年医療分野で大きな期待が集まっている「再生医療」をご存知ですか? 

「幹細胞」と呼ばれる細胞を用いて、病気やケガなどで傷ついた組織や臓器を再生しようという医療です。それと同様に「幹細胞」を活用して、肌の老化や環境などによってダメージを受ける細胞の修復や生成を助けるための、美容面での効果も期待されています。

再生美容というクリニックでの活用だけでなく、もっと手軽な「幹細胞コスメ」という商品も販売されています。そこで今回は、美容に用いられる「幹細胞」の種類と特徴についてまとめました。

化粧品に使われる幹細胞の種類と特徴

幹細胞コスメで美肌ケア、アンチエイジング効果も

美容クリニックでは、本人の皮下脂肪から採取した「脂肪由来幹細胞」を培養させた“培養液”を、皮膚に直接注入して肌細胞そのものを活性化させ、肌のアンチエイジングしようという施術が行われています。

このような美容効果を化粧品の分野に応用させたのが「幹細胞コスメ」ですが、化粧品の場合には使用される幹細胞は「ヒト由来幹細胞」の他にも「植物由来幹細胞」や「動物由来幹細胞」などいくつかの種類があります。

これら「幹細胞コスメ」は、いずれも幹細胞そのものではなく「幹細胞培養液」だということも覚えておきましょう。

植物由来幹細胞

幹細胞コスメに使われているリンゴから抽出した幹細胞エキス

人間の細胞には傷ついた細胞を修復したり再生させたりする「幹細胞」があるのですが、同じように植物にも傷ついた細胞を再生させる幹細胞があることが分かってきました。その中でも有名なのがスイスで発見された「奇跡のリンゴ」と呼ばれる「ウトビラー・スパトラウバー」という品種のリンゴです。

この品種はリンゴの実を4ヶ月間放置しても腐らないという強い生命力があるのです。近年の研究により、このリンゴの中に含まれる「幹細胞」から抽出した成分には、人間の皮膚の「表皮幹細胞」にはたらきかけて幹細胞を活性化させターンオーバーを正常化させたり、紫外線などから肌を守ったりして若々しい肌を保つ効果が期待されています。

リンゴの他にも、モロッコの砂漠地帯に生息する「アルガンツリー」という樹木の新芽から採取された「アルガン幹細胞エキス」「エーデルワイス」、「ダマスクローズ」など様々な植物の幹細胞エキスがあるようです。

植物由来幹細胞の特徴

植物由来幹細胞の場合、希少な植物でも人工培養して増やすことで、安全で安定した供給を見込めるので、化粧品としても比較的低価格で提供できるというメリットがあります。

また、ヒト由来や動物由来と比較して、ウイルス感染などの心配がなく安全性の面では最も安心して使用できそうです。ただ、植物の幹細胞由来の成分が人間の肌に対してどれほどの効果が得られるかに関しては、不明な点も多いと言われています。

動物由来幹細胞

動物由来幹細胞の特徴

動物由来の幹細胞には、「仔羊の毛根」や「羊のプラセンタ(胎盤)」から抽出されたものがメインです。

羊由来の幹細胞は、他の動物よりも人間の肌の幹細胞に似ていると言われていて、肌に馴染みやすいとされています。動物由来の幹細胞培養液は肌にはたらきかけ、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの形成を促して肌のターンオーバーの正常化などアンチエイジング効果が期待されています。

このようにヒト由来の幹細胞に近い効果があるうえに、ヒト由来の商品よりも安価に購入できるというメリットがあります。ただ、動物由来の幹細胞は、動物の飼育環境やウイルス感染の確認など、安全性に関する問題もあり日本国内ではそれほど出回っていないのが現状です。

動物由来幹細胞の特徴

動物由来の幹細胞の場合、最も効果が高いとされるヒト由来の幹細胞と比べると効果は劣りますが、少なくとも植物由来のものよりも人間の幹細胞に構造が近いため肌に馴染みやすく高い美肌効果が期待できるとされています。

ただ、抽出される動物のウイルス感染や飼育環境などの安全面・衛生面での不安が残るのも事実です。

海外では安全基準をクリアした製品が販売されているようですが、今のところ日本国内ではほとんど流通されていないようです。

また、動物由来の幹細胞コスメは、何らかのアレルギーを持つ人や肌が敏感な人の場合十分に注意して使用する必要があります。

ヒト由来幹細胞

ヒト由来幹細胞

ヒト由来の幹細胞で最も多く用いられているのは、人間の皮下脂肪から採取した「脂肪由来幹細胞培養液」です。

ヒト由来の幹細胞培養液には、アンチエイジングに欠かせない成長因子肌のターンオーバーを促進してシミやくすみを改善する作用がある「表皮細胞成長因子(EGF)」や、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸・抗酸化酵素などを増加させハリや弾力を与えてたるみやシワ改善する作用がある「維芽細胞成長因子(FGF)」などが豊富に含まれています。

こうして「植物由来」・「動物由来」よりも人の細胞に直接はたらきかけることができるため、他のものよりもはるかに効果が高いと言われています。「ヒト由来幹細胞コスメ」には、肌のターンオーバーの活性化だけでなく、保湿や美白、血行促進や抗炎症作用など多くの効果が期待されています。

ヒト型幹細胞コスメNEURタイムレスジェリーセラム

ヒト由来幹細胞の特徴

「ヒト由来幹細胞培養液」に用いられる脂肪由来幹細胞は、人間の皮下脂肪から採取されるため比較的簡単に抽出できるだけでなく、植物由来の幹細胞より肌の細胞の“カギ穴(レセプター)”に、ピッタリと合いやすい“カギ”のような「リガンド」という仕組みがあるため、他の幹細胞培養液よりも高い効果が期待できるのが特徴です。

さらに、植物由来・動物由来幹細胞の場合、アレルギー体質の人や敏感肌など肌質に合わない可能性があるのですが、ヒト由来幹細胞はアレルギー反応や拒否反応などの問題がほとんどないと言われています。

その反面、ドナーとなる人間から採取されるという倫理面・安全面での問題は課題として残っているのが現状です。

幹細胞の化粧品で肌の若返りを

幹細胞コスメのを選ぶときの注意点と選び方

今回は最先端のコスメ「幹細胞コスメ」に使用されている“幹細胞培養液”の種類と特徴についてまとめました。

美容クリニックの分野では人間の皮下脂肪から採取された「脂肪由来幹細胞」を培養させた“培養液”を使用することが多いのですが、化粧品の場合には「ヒト由来幹細胞」だけでなく、「動物由来幹細胞」、さらには「植物由来幹細胞」などの種類があることが分かりました。

ただ、それぞれに特徴があり、アレルギーや拒否反応が少ない「ヒト由来」は高価なものになります。一方、倫理的にも安定供給の点でも優れている「植物由来」は比較的安価で購入できる代わりに効果が解明されていない部分もあるということです。

いずれの場合でも「幹細胞培養液」は、肌に直接はたらきかけ細胞を活性化させたりターンオーバーを促進させたりする効果が期待されています。うまく活用してアンチエイジング効果を得たいものですね!